福島県いわき市

里見 喜生さん

いわきの老舗旅館から、福島の『あの時』と『今』を伝え続けます
福島県いわき市で生まれ育つ。大学進学を機に上京するが、平成8年にいわき市にUターン。家業である旅館業を継ぐ。東日本大震災の際には、旅館を救援物資の配布拠点としたり、全国から訪れたボランティアに客室を提供した。さらに、原発事故やその後の福島の生き方を社会に伝える「F スタディツアー」や「原子力災害考証館」の創設を行い、自らも語り部として活動している。
伝えていること

里見さんは、いわき湯本温泉「古滝屋」の第16代当主として旅館を営んでいます。同時に、地域社会を支える様々な活動を積極的に行っています。2011年11月には、避難所で居場所がない子どもや障害を持つ人、その家族を支援する「NPO法人 ふよう土2100」を設立。その後も自らがガイドを務める「Fスタディツアー」、原発事故について考え、教訓を伝える「原子力災害考証館」の開設など、活動は多岐にわたります。目指すのは観光業ではなく「未来づくり事業」。多様な立場と時間軸から震災について語り、伝承する場を創っています。

知って、感じて、考える「Fスタディツアー」

里見さん自身も語り部をつとめる「Fスタディツアー」では、いわき市から双葉郡を巡るツアーです。被災地を「知って、感じて、考える」をコンセプトに、震災から現在までの被災地の様子を語り、震災の教訓を伝え、参加者一人ひとりが「今の自分に何が出来るのか」を考える内容となっています。

コロナ禍においてツアーの参加人数は減りましたが、オンラインで「スタディツアーの予備知識講座」を開催。リモートの活用も模索しています。さらに2021年10月からは大学のゼミ研修の受け入れも行い、学生が福島県を訪れることが増えてきています。

「原子力災害考証館 furusato 」の開設

2021年3月12日には、東京電力福島第1原発事故を住民目線で伝える「原子力災害考証館 furusato」を旅館の一室に開設しました。震災後に住民が主体となって作成した情報誌や被災地の広報誌など展示し、避難を余儀なくされた地域住民の「声なき声」を発信しています。

「原子力災害考証館 furusato」の開設は、他県の民間資料施設から着想を得ています。日本四大公害水俣病の民間のアーカイブ施設である「水俣病歴史考証館」や、成田闘争のアーカイブ施設である「空と大地の歴史館」など。多様な立場で学び、考える事のできる施設を参考にしています。未曽有の被害をもたらした原子力災害についても、被害の全容と構造的背景、被害の克服に向けた様々な取組を記録する施設が必要だと考え、開設に踏み切りました。

「原子力災害考証館 furusato」に訪れる人は家族連れが多く、命の大切さや身近に災害があるということなどを、家庭内で考えるきっかけになっています。
 
今後は、動物の目線や子供の目線で表現する原子力災害の展示を加えていく予定です。多様な視点から、一人ひとりが問いに向き合い、目指すべき生き方や社会を考える場を創り続けます。
 
お問い合わせ先
お問い合わせ先 いわき湯本温泉 古滝屋
所在地 〒972-8321 福島県いわき市常磐湯本町三函208
電話番号 0246-43-2191 FAX:0246-43-3734
E-mail satomiyoshio@gmail.com

※@は半角にしてお送りください。

URL https://furutakiya.jp/
語り部の料金
  • Fスタディーツアーの料金
    お一人様 3,000円(コーディネイト料/ガイド費/資料代 込み)
    ※車代は別途 1,500円
  • 原子力災害考証館 furusato  入場無料
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