次世代伝承サポーターの集中研修開催

年末が近づいた12月28日、次世代伝承サポーターとして活動を始めた大学生たちの集中研修を実施しました。
伝承サポーターは、東日本大震災を自ら案内することに関心を持ってくれた大学生と3.11メモリアルネットワークが2024年末から挑戦している取り組みです。東北大学、東北福祉大学、石巻専修大学など、県内各地の大学生たちが、門脇・南浜地区の震災ガイドに取り組んでいます。
冬休みを活かしたこの日の集中研修では、MEET門脇や復興祈念公園など、これまでガイドする機会の少なかった場所のガイドを聞きながら、約2時間ほどかけて巡りました。
MEET門脇では、大川小学校ご遺族からお預かりしているはなちゃんのランドセルとけんとくんのジャンパーのエピソードなどを聞き、大川から離れたこの場所に大川小学校の子どもたちのエピソードが展示されている理由、このランドセルとジャンパーが見つかった経緯、探し出したご家族のお気持ちなど、展示案内だけでは伝わらない感情や背景への理解を深めました。
この日に説明をしたのは、大川伝承の会でも活動するスタッフです。震災前の2人の姿を知る方が選ぶ言葉、伝えようとする姿から受け取るものは多く、動画やデータではなく人が人に伝えることの意義が強く感じられ、学生たちは真摯に耳を傾けていました。
また、館内では「あの時プロジェクト」のプロジェクションマッピング展示についても、100人を超える聞き取りの背景や地域住民のエピソードに触れました。
その後の震災復興祈念公園では、津波伝承ARアプリを使いながらの震災ガイドを体験しました。
高盛された道路、「がんばろう石巻」の看板、市民活動拠点、津波で流され基礎だけが残された建物跡――。
学生たちは初めて耳にする内容も多かったと思いますが、年の瀬の寒空の中でもメモを取りながら学びを深めていました。
祈念公園での学習後は事務所に戻り、より伝承の質を高めるための工夫について意見交換しました。
来年度から活動する後輩たちが最初に学ぶ内容はどのようなものがよいのか、互いの知識や理解した情報をどのように共有していくかなど、今年度の振り返りも行いながら、来年度の活動に向けて視野を広げることができました。
伝承サポーターとして活動する学生のほとんどは、直接の被災経験がありませんが、だからこそ来訪者と同じ目線や共感をもちながら、伝えられる言葉や方法があるはずです。
ご遺族の気持ちを受け取り、自分が感じたことをどのような言葉で伝えればよいのか。
地域住民の避難行動の事実を伝えるだけでなく、どうすれば来館者に自分事として捉えてもらえるのか。
共感で終わらせず、命を守る具体的な一歩につなげるために、自分たちに何ができるのか。
彼らのお陰で、今後も深い積み重ねと継続の希望が見える――そんな手応えを感じる一日となりました。
研修が終わった後も、学生たちは「次のバスが来るまで時間があるので」と、自主的にMEET門脇や門脇保育所跡地を見学していました。
今年の活動の振り返りにもなり、来年につながる大切な一歩となった研修日でした。



