よくあるご質問
これまでの15年間にいただいた東日本大震災の復興・伝承・防災に関わる疑問について、説明させていただきます。
東日本大震災からの復興について
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Q.東北はもう復興したのでは?
多くのご支援をいただいたお陰で、岩手・宮城のハード整備はほぼ完了したと言われていますが、「心の復興」と呼ばれた心のケアや、復興方針に掲げられた「ハード・ソフトの組み合わせによる逃げる事を全体とした地域づくり」、原子力災害への対応は、完了したとは言い難い面があります。
日本赤十字社が東日本大震災から15年、国民の意識・行動について2026年2月に公表した調査結果によれば「おおむね完了している」が49.7%(596人)で最多。以下順に、「あまり進んでいない」が39.4%(473人)、「全く進んでいない」が7.5%(90人)、「既に完了している」は3.4%(41人)でした。
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Q.東日本大震災は、能登の復興など次の災害では役に立っていないのでは?
緊急支援期の協働を活かす仕組みはある一方で、被災された方々にとって、地域にとっての復興を進めてゆくための必要な施策は不十分とは言えません。
2037年まで個人から徴取されている復興特別所得税は、東日本大震災の復興施策の財源として設置されたもので、能登半島地震等の復興に使うことはできません。
日本赤十字の調査によれば、東日本大震災と同程度の地震や災害が仮に起きた場合の、自身の対策や備えにについて「対策できていない」と回答したのは69.2%(830人)であり、国民一人ひとりへの対策が進んでいるとは言い難い状況です。
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Q.原子力災害からの復興は大変そうだが、電気代が高騰しているし原子力発電も必要では?
原子力災害からの復興について、3.11メモリアルネットワークとして短い表現で回答できる状態になく、2025年9月に開催した福島交流会では、「語りづらさ、伝わりづらさ」をテーマとしています。その中で、福島の土壌の「あなたの町での受け入れ」を想定してみる事や、誰もがそれぞれの立場で共感的に向き合うことが提案されており、これからも皆さんと共に向き合いながら災害を語り続けてゆけるとありがたいです。
東日本大震災の伝承について
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Q.15年前の東日本大震災を、今わざわざ学ぶ意味はあるの?
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Q. 東日本大震災は、想定外の自然災害だから仕方なかったのではないですか?
東日本大震災では沢山の救えた命があったからこそ、次の災害から命を守れる希望を学ぶ意義があります。
語り部を聞いた子ども達への追跡調査により、「自分の中で変わったことがある」意識変化や、語り部の話を聞いて「家族と話した」防災行動変化が確認されており、未来に活かすことで次世代の命や生活を守ることができます。
「語り」が生み出す意識・行動変化調査結果
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Q.「津波が来たら高台」はもう知られているから学ぶ必要はないのでは?
津波を想定していても、家族のために戻ってしまった方も多くいらっしゃったのが現実で、宮城県石巻市での避難行動をまとめた報道番組「100人の証言 なぜ多くの人が逃げ遅れてしまったのか」は事例の一つです。
一つでも多くの早期避難行動を促すため、今、意識転換や避難先の取り決めが必要です。
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Q.語り部は何人ぐらいいますか?
「語り部」の定義がなく回答が難しいですが、一つの例として、広域伝承連携メンバーの中で自主的に「語り部をしている」と回答いただいた方々137名いらっしゃいます。
東日本大震災を踏まえた防災について
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Q.防潮堤の復興整備により、東日本大震災の被災地は安全になったのでしょうか?
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Q.東日本大震災を学校の防災教育に生かすにはどうしたらいいですか?
多くの学校が東日本大震災の被災地での修学旅行を取り入れていただいており、私たちが2025年に調査した28の伝承団体・29の伝承施設の100%から「来訪者の意識や行動を変えるのに東日本大震災の語り部は寄与する」と回答を頂いていることから、「語り部」による体験学習をおすすめいたします。また、全国の教職員向けの被災地研修もご評価をいただいており、教職員の方々に被災地にお越しいただくことが防災教育の推進につながっております。
東北まで足を運んでいただくことが難しい方々へも、オンラインの語り部や震災漫画、講演などでの東北の事例を学ぶ機会をご利用ください。