【報告】福島ネットワーク交流会開催

7/24(日)福島県大熊町にて、福島ネットワーク交流会「沖縄の伝承活動に学び、東北の震災伝承のこれからを考える」を開催しました。福島での開催は3度目。福島を中心に、地域や世代を超え、53名(オンライン含め)の方にご参加いただきました。

会場には、民間で語り部や伝承活動をされている方、伝承に関心のある若者、行政として伝承の仕組みづくりに取り組む方など、様々な立場の方が参加されました。

 

第1部 講話

今春、沖縄平和学習の視察訪問を企画された木村紀夫さん、同行された秋元菜々美さん。双葉郡で伝承活動をされているお二人の視点で、視察報告をしていただきました。

▼登壇者
秋元菜々美さん(富岡町在住)
木村紀夫さん(大熊未来塾)

廃炉途中の原子力発電所が立地している富岡町・大熊町それぞれで伝承活動を続ける秋元さんと木村さん。「地域で起こっている社会課題」「非体験者による伝承」という視点から、沖縄で得た学び・これからの展望などをご紹介いただきました。

 

第2部 意見交換

講話を受け、参加者の皆さんで意見交換いただきました。6つのグループに分かれ、福島の震災伝承の「課題」「私たちにできること」を話し合いました。
オンラインでは、意見交換に参加を希望された方が交流され、いずれも限られた時間の中で、とても活発な意見交換が行われました。

意見交換の後には、全体共有をしていただきました。

●課題
「社会における震災伝承の役割が弱いのではないか」「非体験者でも語れる仕組みが必要」という声がある一方で、「語り部のライセンス認定制度が導入された場合、ハードルが上がってしまうのではないか」など、率直な意見も話し合われました。

●私たちにできること
震災伝承の機会に身近な人を巻き込むことや、芸術など活用した企画などが挙げられました。また、東北だけではなく、関東などでも被害があったことから、「それぞれの立場・経験を踏まえ、当事者の話を自分の言葉で当時を語る」可能性を指摘するグループも。

交流会の終了後も話が尽きず、しばらくグループ内でお話しされていた様子が印象的でした。

アンケートでは、「異なる立場や地域、世代の方との交流の機会がほしい」という声が多く寄せられ、県外の方からは「地元の人の生の声が聞けて良かった」という回答もありました。震災と原子力災害を起因とした複雑な状況下により、交流や議論する機会がもとめられていると実感しました。

今後も、立場や世代を超えて震災伝承を考える機会をつくってまいります。