【報告】11/10(日) 仙台防災未来フォーラム発表

11/10(日)、仙台市主催の「仙台防災未来フォーラム」において、岩手・宮城・福島の3県で震災伝承に取り組む皆さんをゲストにお迎えし、発表を行いました。

会場の様子。当日は65名の方がご来場くださいました。

 

陸前高田「ハナミズキのみち」の会・代表の淺沼ミキ子さん

陸前高田市の“シンボルロード”に「ハナミズキのみち」が整備され、津波からの避難路の目印として「この道を、より高いところへ駆け上がれ!」と刻まれた碑も設置されました。浅沼さんは、悲しみや後悔を繰り返さないために、語りや絵本を通じて伝え続けています。ハナミズキの植樹会も行われます。

大川伝承の会メンバーで、”若者プロジェクト”の企画運営にも携わる永沼悠斗さん

「大川伝承の会」での語り部活動や大川地区の復元模型制作プロジェクトに参加、「被災体験を”変換”して社会に還元したい」と語ります。つながることで次の世代に続けていく環境をつくるために、3.11メモリアルネットワークの若者プロジェクトにも積極的に参画しています。

元・久之浜第一小学校校長で、現在はいわき市錦公民館館長のかたわら”NPOやってみっぺ久之浜・大久”の共同代表も務める松本光司さん

いわき市立久之浜第一小学校での取り組みについて、映像を使いながらお話しいただきました。子供達が久之浜で安心して成長できる環境づくりを目的にNPO設立し、「未来の被災者を救う、いのちを守る行動がとれるように」と、防災テキストの制作や普及にも尽力されています。

 

ネットワークでつくる伝承の未来

3人それぞれの活動報告ののち、「3.11何をどう伝え 継ぐか〜ネットワークによる伝承の未来〜」をテーマにパネルディスカッションを行い、以下の内容で意見交換を行いました。

  • 震災から9年目、伝承活動はどんな局面にあり、どんな課題があるか
  • そもそも、わたしたちは何を伝え継ごうとしているのか
  • 全国、世界も含めて、広く永続的に伝え継ぐためには何か必要か

今回の世界防災フォーラム、仙台防災未来フォーラムでは、「伝承」をテーマにしたセッションが多く見られました。
3.11メモリアルネットワークもその一つで、日々、実際に語り部や防災の活動をする現場の声を、地域/世代を超えて共有することができました。

 

ご来場いただいた方々からも、「全国、世界も含めて、広く永続的に伝え継ぐためには何か必要か」ご意見を出していただき、大別すると以下のような声が寄せられました。

  • 伝える中身をしっかり整理して、当事者が語れるようにすること
  • 話し合える場をつくり、横のつながり、仲間をつくること
  • 形として残す必要性や子供達への教育、それを支えるお金

会場からの「気軽さ」というコメントを受けて、今後は、誰でも関われるような”余白”や、率直な疑問も受け止められる”環境”が大切になっていくという話題になりました。
東日本大震災以降も、各地で自然災害による甚大な被害が生じています。ゲストの松本さんも、10月の台風19号で大きな被害を受けたいわき市から来られました。
新たな被災地、未災地のあいだでの連携も視野に、震災を伝え、活かす仲間をつくる大切さ。人と人とをつなぐネットワークに期待される役割を、今後の課題として共有しました。

 

ゲストの3人はほぼ初対面で、立場もそれぞれに異なる方々でしたが、日々感じる課題や根底にある思いは理解し合える部分が多く、改めて目指すものは一緒であると実感する機会となったように思います。

 

この度の開催にあたりご協力いただいた皆様、ありがとうございました。