「災害に向き合う教育の可能性~防災の視点を超えて~」をテーマに、大阪市立墨丘中学校の木下祐介さんと雄勝花物語の徳水博志さんをお迎えして、実践事例の共有とディスカッションを行い、全国から70名を超える皆さまにご参加いただきました。ご登壇、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
人権教育と防災教育に共通する取組み、発災後の子ども達に対象化と意味づけが促された実践事例は、能登や熊本の被災地域、そして、全国で不登校への対応や人権教育に先生方にも参考になる内容で、熊本から参加いただいた先生から直接現状を伺え、私たちにとっても本当に良い機会となりました。
さらに深める第2回(8月29日)の参加者も引き続き募集しております。
木下祐介さん/大阪市立墨江丘中学校(首席主幹教諭)
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木下さんからは、東日本大震災後に大阪の中学校で取り組んできた防災教育と、被災地との出会いによって自身の教育観が変化していった経験について報告いただきました。
被災地での出会いをきっかけに、防災教育に対する意識が「やらなければならない」から「目の前の子どもたちのためにできることをやっていく」へ変わっていった経緯を振り返ったあと、勤務校で取り組んでいた「一人ひとりの命や存在を大切にする」人権教育と、「自分や周りの命を守る」防災教育には共通するものがあるとして、「人権防災教育」として取り組まれた実践についてお話いただきました。
避難所体験に参加した生徒からは、家で寝ることや勉強できる環境は当たり前ではないこと、日頃お世話になっている人への感謝を伝えたいという感想も寄せられました。
徳水博志さん/一般社団法人雄勝花物語共同代表/元石巻市教諭
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徳水さんからは、東日本大震災後の被災地で取り組んだ「復興教育」と、子どもたちの心のケアについて報告いただきました。
「地域復興を学び、社会参加する活動」「震災と向き合い、意味づける学び」の2つを柱とする復興教育の取り組み、俳句や作文、手紙、版画などを通して、子どもたちが震災の記憶を表現し、自分自身の経験と向き合っていきました。学習のねらいは、震災の記憶と向き合うことで現実を受け入れ、心を整理し、前を向く意志と希望を育む取り組みをご紹介いただきました。
「安心・安全の確保」「つらさに共感できる仲間との語り合い」「自分の体験を対象化し、意味づける学び」「地域や他者とのつながりを取り戻すこと」など、震災後の復興教育から得られた視点が共有されました。
報告後には、登壇者同士、参加者を交えて意見交換を行いました。
被災地と被災地外、小学校と中学校という違いがありながらも、2つの実践には、自分や他者の経験に向き合い、それを言葉にし、共有し、自分自身の中で意味づけていくという共通点がありました。
木下さんからは、自身が災害を直接経験していない中で防災教育に取り組むことへの迷いについても語られました。
一方で、被災地に実際に足を運び、人と出会い、そこで感じたことを自分の言葉にして子どもたちへ伝えることの大切さについて、「語る」のは体験した人でも、「継ぐ」ことは誰にでもできるのではないか、という話がありました。
また参加者からも、震災を経験していない子どもたちが抱える心のストレスやつらさに、今回紹介された実践をどう活かすことができるかなど、さまざまな意見が寄せられました。
最後には今回のテーマに立ち返り、「災害に向き合う教育」を、防災だけでなく、命、人権、地域の復興などを考える教育としてどのように広げていくことができるか、意見を交わしました。
災害に向き合うことによって、普段は見えにくい社会の課題や、人と人とのつながり、命の価値が見えてくる。「防災教育」の枠を超えて、災害をどのように教育の中で扱っていくことができるのか。2つの実践から考える交流会となりました。
「災害と教育-伝承実践交流会2026」は、8月29日(土)にも仙台会場とオンラインで開催します。
7月30日の議論を引き継ぎ、「震災遺産に向き合う視点から」「生きる意味の再構築の視点から」の報告、参加者グループワーク、パネル討論を通して、さらに「災害に向き合う教育の可能性」を考えます。
「災害と教育-伝承実践交流会2026 災害に向き合う教育の可能性~防災の視点を超えて~」
日時:2026年8月29日(土)13:00~17:00会場:エル・パーク仙台 セミナーホール1・2/オンライン主催:公益社団法人3.11メモリアルネットワーク
私たちの理念である「災害で命が失われない社会を目指す」に共感し、
全国で1,000人を超える方々が広域伝承連携メンバーとして参加しています。
メンバーには、震災伝承や防災・減災に関する最新情報を
メーリングリストやメールマガジンでお届けしています。
想いを共有する方であれば、どなたでもご参加いただけます。