“次世代が主役”の仕組みで高める、伝承の継続性
東日本大震災の伝承活動は継続性の不安が課題となっており、そのために重要となる若い世代の参画が、各地で同時発生的に始まっています。
そこで、公益社団法人3.11メモリアルネットワークでは、昨年末から新たに「伝承サポーター(仮)」の取り組みを通した継続的な伝承活動を模索しています。
■学生の主体的な関わりで未来を拓く取り組み
伝承サポーター(仮)の取り組みでは、「東北で学ぶからには震災に “少し” 関心がある」という学生が伝承活動に主体的に関わることができるような仕組みを、学生と一緒に考えていきます。
・命を守る行動変容を促す「自分の言葉」を発信できる人材になること
・県境を跨いだ学生同士のつながりで学びあいながら成長すること
・トップダウンの育成ではなく、伝える側と承る側の協働で「伝承」していくこと
上記の視点を大切に、自己評価の指標や学習用のテキストなども学生と一緒に考えながら作り始めています。また「伝承サポーター(仮)」という肩書も、自分たちが誇りをもって名乗ることのできる、より相応しい名前を自分たちで考えてもらおうと考えています。
■石巻市南浜門脇地域での取り組み
岩手、福島にも広げることを目標とした取り組みですが、当団体が拠点を置く南浜門脇地区では、これまでも地域のボランティアに関わってきた東北大学の学生が宮城県石巻市南浜門脇地区のガイドに挑戦してくれることになりました。
最短3回の研修期間は交通費のみの支給ですが、自己評価や語り部・スタッフとの学びあいを通して責任をもって案内できるようになれば謝金をお支払いしてプログラムをお任せしています。
■岩手・福島と連携した県境を跨ぐ学生同士の学びあい
今年度は、岩手と福島、宮城(南浜門脇)、宮城(大川)と連携し横断的に学びあえるプラットフォームづくりを目標とし、来年度以降他地域への拡大も視野に取り組んでまいります。
また、7月6日(日)には福島大学と共同で、伝承活動へ自ら関わり始めた学生同士が県を跨いでつながり、主体的に伝承活動に取り組む初めの一歩を歩みだす機会として、宮城県石巻市門脇地区での交流会を開催します。詳細はこちら
「若者として感じた課題を若者として話すことに意義があると感じる」「サークルとして次の世代に受け継いでいきたい」と主体性をもって関わってくれる心強い若者たちと、「次世代が主役」の仕組みを通じて、震災伝承の継続性向上へ取り組んでまいります。