2023年震災伝承調査速報(来訪者受入推移)2/19修正

3.11メモリアルネットワークでは、東日本大震災の伝承活動の現状と課題の共有、および防災・減災活動の活性化を目的に、2017年より毎年調査を行っております。
この度、2023年調査として、2023年12月までの伝承活動の状況について、調査を実施しています。
岩手・宮城・福島の3県で伝承に取り組む、28団体・33施設のご担当者様が、受け入れ人数調査にご協力くださり、この度、速報として公開させていただくことができました。
(※2/8に、公開時の26団体、32施設のデータから追加更新しました)

全体的にはコロナ禍からの回復傾向が見られるものの、震災学習プログラムの受け入れは伸び悩み、高校生以下の割合が減少するなどの不安傾向も確認されます。

発災からまもなく13年が経過します。東日本大震災の伝承活動の現状を多くの方に知っていただき、災害から命を守る取り組みに関心を寄せていただけるきっかけとなることを願っています。

 

調査概要

【対象】岩手・宮城・福島の3県で震災伝承活動に取り組む団体、施設
【期間】2024年1月10日〜2月7日
【方法】メールで依頼・回答
【実施主体】公益社団法人3.11メモリアルネットワーク
【アドバイザー】東北大学災害科学国際研究所 佐藤翔輔准教授
【一部補助】令和5年度復興庁被災者支援コーディネート事業

調査協力

震災学習プログラム:29団体(岩手6/宮城19/福島4)

一般社団法人宮古観光文化交流協会、三陸鉄道株式会社、一般社団法人おらが大槌夢広場、いのちをつなぐ未来館、三陸ひとつなぎ自然学校、一般社団法人陸前高田市観光物産協会、けせんぬま震災伝承ネットワーク、一般社団法人南三陸町観光協会、三陸復興観光コンシェルジェセンター、南三陸ホテル観洋、一般社団法人女川町観光協会、一般社団法人健太いのちの教室、一般社団法人雄勝花物語、大川伝承の会、一般社団法人石巻観光協会(石巻観光ボランティア協会)、公益社団法人3.11メモリアルネットワーク、SAY’S東松島、奥松島観光ボランティアの会、七郷市民センター(七郷語り継ぎボランティア「未来へ―郷浜」)、一般社団法人ふらむ名取、一般社団法人閖上の記憶、岩沼市千年希望の丘交流センター、亘理町観光協会(震災語り部の会ワッタリ)、やまもと語りべの会、相馬市商工観光課、一般社団法人大熊未来塾、NPO法人富岡町3・11を語る会、いわき震災伝承みらい館(いわき語り部の会)

震災伝承施設:33団体(岩手5/宮城21/福島7)

大槌町文化交流センター、いのちをつなぐ未来館、大船渡市防災学習館、陸前高田市立博物館、東日本大震災津波伝承館、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館、リアス・アーク美術館、シャークミュージアム、南三陸311メモリアル、女川町まちなか交流館、石巻市震災遺構 大川小学校、石巻市震災遺構 門脇小学校、絆の駅 石巻ニューゼ、南浜つなぐ館、震災伝承交流施設 MEET門脇、みやぎ東日本大震災津波伝承館、東松島市震災復興伝承館、KIBOTCHA、せんだい3.11メモリアル交流館、震災遺構 仙台市立荒浜小学校、名取市震災復興伝承館、津波復興祈念資料館 閖上の記憶、千年希望の丘交流センター、山元町震災遺構 中浜小学校、山元町防災拠点・山下地域交流センター、相馬市伝承鎮魂祈念館、震災遺構 浪江町立請戸小学校、東日本大震災・原子力災害伝承館、東京電力廃炉資料館、ふたばいんふぉ、いわき震災伝承みらい館、コミュタン福島

震災学習プログラム、伝承施設の全体推移

2023年伝承調査来訪者推移概要

  • 震災伝承施設の受入人数の伸びに比べて、震災学習プログラムは低調にとどまった。
  • 2022年調査でも確認された震災学習プログラムと伝承施設の差が、2023年には更に拡大傾向にある

震災学習プログラム 年別受入人数推移(29団体)

2023年震災伝承調査プログラム受入推移

  • 2023年の年間震災学習プログラム参加者数(28団体の現地参加者の合計)は、187,274名。
  • コロナ禍直前の規模までは回復したが、依然として過去の(2013年、2014年の)レベルにまでは至らず、伸び悩みが確認された。
  • 回答の得られない数団体があり、活動の継続や展開の課題が伺われた。
    団体コメント:
    ・「以前は収入があったので甘えていたが、ライバルは無料の伝承館だった。受け入れがほぼゼロになり、別の仕事にうつっており(回答作成に)時間を使えない」
    ・「自分としてはやってきたつもりだが、法人を閉じ、個人活動にするか迷っている。学校からの定期的な依頼、委託や補助等がなければ「語り部」は続かないのではないか」

震災伝承施設 年別受入人数推移(33施設)

2023年東日本大震災伝承施設受入推移

2022年の年間震災伝承施設来館者数(33施設の合計)は、15,62,752名。

  • 伝承施設全体としては、コロナ前を超えて、過去最多の受入人数となった。
    (2022年までに閉館した施設は集計に加えていない)
  • 受入数の増加と施設の新設(施設数の増加)との関連性が確認できる。

(参考:震災伝承施設数の推移 ※2/19追記)

震災伝承施設数

上記受入人数回答のうち、1月~12月の年間受入数があった(1人以上であった)施設数の推移。

高校生以下の割合について

2023年速報(高校生以下)
2023年速報(高校生以下)
  • 2023年は、前年までの傾向と異なり、減少傾向の変化が見られた。
  • 震災学習プログラムは、21年の72%から22年は62%へと減少したもの、高校生以下の受入人数は増加していたが、23年は、割合、人数共に減少した。
  • 震災伝承施設は、カウンター等での計測が困難で団体予約分のみの人数としているケースもあるが、高校生以下の受入割合は減少、人数は若干伸びているが施設全体の受入増加に比べて伸びは少なかった。

岩手・宮城・福島の震災伝承団体、施設への訪問数が少しずつ伸びており、感謝申し上げます。

プログラム参加者の伸び悩み、高校生以下(修学旅行)の減少、持続可能性への懸念も感じられる結果となり、3.11メモリアルネットワ-クとしても、引き続き全体傾向の把握に努めるとともに、震災伝承活動のサポートを継続してまいります。