311基金2024年助成採択団体
2011年3月11日に発生した東日本大震災の体験や教訓を市民活動として伝え続け、地域の力としてゆく取り組みに対して、ご理解とご支援をいただいた個人や団体の寄付により運営されています。
5年目となる本助成事業、2024年度は12件(申請総額:13,732,803円)の応募をいただき、厳正なる審査の結果、以下12事業(助成総額10,007,811円)の助成が決定されましたのでご報告いたします。
事業期間は、2024年4月1日から2025年3月31日です。
助成採択団体
団体名 | 事業名 | 助成額 | |
1 | 特定非営利活動法人虹色たんぽぽ | 聞き書き人のいる町プロジェクトin亘理 | ¥432,800 |
2 | 一般社団法人 健太いのち教室 | 組織管理下におけるいのちを守る災害安全対策に関する普及・啓発事業 | ¥1,024,000 |
3 | もやい展実行委員会 | おれたちの伝承館 | ¥750,000 |
4 | 特定非営利活動法人吉里吉里国 | 未体験者による震災伝承の継承事業~吉里吉里国に託した思いと共に後世へ残す | ¥1,350,000 |
5 | 一般社団法人トナリノ | 東日本大震災を経験した最後の世代による発信の機会創出 | ¥1,343,625 |
6 | 三陸復興観光コンシェルジュセンター | 次代を担う若者たちによる自助・共助体験伝承プログラム構築と次の災害に備える為の避難所訓練できる備災プログラム創り | ¥1,282,386 |
7 | 遠足プロジェクト実行委員会 | 震災を体験していない若者が、震災への理解を深め、表現するツアー | ¥225,000 |
8 | 小高教会幼稚園同窓会 | 震災遺構を中心とした小高町歴史資料室開設事業 | ¥200,000 |
9 | 石巻アートプロジェクト | 「生きる家プロジェクト」被災した家が開く語りの場 | ¥200,000 |
10 | 一般社団法人閖上の記憶 | 東日本大震災で経験して気付いた「いのちの大切さ」を語り継いでゆく | ¥1,350,000 |
11 | 一般社団法人大熊未来塾 | 命が大切にされる未来実現のための伝承活動と、プログラムの検討・設計 | ¥1,350,000 |
12 | 一般社団法人東北お遍路プロジェクト | 東北お遍路の巡礼の道整備 | ¥500,000 |
審査員コメント
審査に当たられた委員からいただいたコメントを以下にご紹介します。
○東北大学災害科学国際研究所 准教授 佐藤 翔輔委員
日頃より、東日本大震災の伝承活動にご尽力いただき、心より感謝申し上げます.この度、申請のありました活動や団体様は、震災発生から13年をむかえようとするなかで,これまでの実績で地域に根付いたり,あらたな展開を生むことで持続可能性を高めようとする、いずれも充実したかつ頼もしい活動ばかりです。採択された活動・団体様が,本助成によってより活発な活動がなされることはもちろんのこと,それらの活動に3.11メモリアルネットワークの会員を巻き込んでいただくことで,様々な相乗効果を生まれると考えています.これからも応援いたします。
○兵庫県立大学・神戸大学 名誉教授 室崎 益輝委員
伝承には、3つの力が必要です。つながり、継続、新しい力です。この3つが、しっかり根付いていることを、今年の審査で実感しました。多様な担い手が地域を超えてつながっていることや伝承を持続的に展開していることが、3.11の伝承活動の大きな広がりと質の向上をもたらしています。それに加えて、伝承のバトンを受け継ぐ形で新鮮な息吹を吹き込んでくれています。
○中越防災安全推進機構 アンバサダー 山崎 麻里子委員
震災伝承活動に取り組まれる皆さんは、阪神・淡路大震災や中越地震の被災地での語り継ぎやメモリアルの手法を参考にされつつも、試行錯誤しながら東北の経験や教訓、想いを丁寧に、新たな視点や観点を取り入れ今日まで活動を継続されてきたと思います。
今年1月に発生した能登半島地震の被災地においても、いずれ震災伝承の取り組みが始まると考えられます。その時、皆さんの活動が今まで以上の意味合いを持つと思います。今後、東北の震災伝承に学びたいと思い視察に来られる日が必ず来ると思います。その時、災害伝承の先輩として、伝承のノウハウも伝えていただけることを願っています。
東北被災地の伝承活動を支える3.11メモリアルネットワーク基金は、皆様からのご支援・ご寄付によって支えられています。
(Yahoo!ネット募金サイト)
どうか、東北の被災地における未来の命を守る活動の継続に、ご寄付をいただけますようお願い申し上げます。